刀剣乱舞ユーザーが盗用問題に言及しないのは罪か

結論として、私は「罪ではない、でも言及することに意味はある」と考えてます。
 
 
 ゲームに関わる全員が問題に触れる義務はもちろんありません。ただ、「盗用問題に一切触れずにゲームやグッズのことだけ呟き続けてる人は盗用容認してる」は大きな間違いだけれど「運営や周りから盗用容認だと思われるかもしれない」のは間違いでなく、仕方ないことだと思うからです。
  

私はツイッター上に散見される「盗用に関して口を噤みながらグッズや舞台化に盛り上がるユーザーは全員盗用容認の犯罪者」とそれに対する「静観しながらゲームを楽しんでただけなのにどうしてそんな風に思われなきゃいけないのか」という意見、どちらにも違和感を抱きました。

私は盗用関係も公式の商売の宣伝も口に出すのを控えていた人は「静観派」、盗用を知っても触れぬ一方でグッズや舞台化などはどんどんRTして呟き続けていた人は「黙認派」だと思っています。犯罪者扱いはあまりにも酷いですが、正直なところ後者は盗用を問題視しない人なのかなと感じてしまっていました。
 
なにしろ、察してほしいと言われても心中どう思ってるかなんて当然ながらわかりません。外から見ている側にとっては「盗用には言及しない」「ゲームに対しては変わらず楽しみ盛り上がっている」さらに「普段は無断転載などに敏感な人も多い」だけが事実です。だから今回に限って沈黙していることに不安を感じ、好きなジャンルだからという理由で盗用を容認している人なのかも…と見えてしまうんです。
 
ただ、そもそも盗用を知らなかったという人もいたでしょう。
その人たちは仕方ないっていうのは確かにその通りなんですけれど、ここでまた問題なのはこんなに大きなジャンルで1ヶ月近く騒ぎになってるのに盗用だけは知らなかったユーザーがあまりに多いこと、それ自体です。鶴丸の帯の件とかいわゆる「学級会」案件はたくさんのユーザーが意見を述べたりそれがいくつも大量RTされたりしていました。なのに盗用の件に限ってユーザー内で広まらなかったのは、やはり*大多数が最初から黙り込んでしまったことで「臭いものには蓋をすべき」というジャンルの空気が出来上がってしまったことが否めないのではないでしょうか。
 
空気を悪くする、楽しむのが後ろめたくなってしまうから口に出したくないのも分かります。でも空気が悪くなるのは盗用があるからであって、その盗用を早く無くす方法として声をあげるのは間違いでないはず。個人個人の問い合わせだけなら「調査中」「DMM/ニトロに聞いて」「このメールの転載はやめてね」などと返信して誤魔化せても、表面で騒ぎになればそれは企業としてかなりの痛手なんです。対応さぜるを得なくなるんです。ネット上の口コミの威力は皆さんも知るところだと思います。表立って騒ぎになればなるほど運営に早い対応を求める圧力になります。裏を返せば問題発覚後もユーザーの反応が薄く課金やグッズ購入の勢いが変わらなければ、(たとえそんなことを思ってなくても)ユーザーにとっては盗用はそれほど問題ないんだと運営に意思表示するも同然になってしまいます。しかも最初に触れたように、盗用問題の成り行きを眺める周りの人たちにもそう勘違いされてしまう可能性もあります。だから言及したり不買したりと行動に移してほしいと願う人たちがいたんじゃないでしょうか。義務ではなくても、有効な手段として、倫理上の問題として。
 
そういうわけで、私は「盗用問題についてユーザーが言及しないことは罪ではないが、言及することに意味はある」という結論に至りました。平たく言えば、言及することで運営へ改善を求める働きかけになるし、思わぬ悪印象から免れることもできるんじゃないかということです。もちろんこの個人的な考えを皆さんに押し付けたり、行動を指図したりするつもりはありません。でも、この文章を読んで言及することの意義もあるんじゃないかと感じていただけたなら嬉しく思います。
 
 
余談となりますが「言及することは罪か」にも触れておきます。
権利元以外は口を出すべきじゃない、外野が必要以上に騒ぐのは駄目だという意見も多く見かけました。でも趣味の範疇ならまだしも、商業作品として市場に出している以上、問題があった時に消費者から批判の声が上がるのはおかしいことじゃないです。
で、なんで「騒ぐ」って言われるほどまでいろんな人たちが長期に渡って声をあげたかって言うと、騒がないと動かないと思わせる対応だったからじゃないでしょうか。
艦これのシステムを無断流用していなければ、また姉妹作だと思わせるような鎮守府ネタのログインボイスをもっと早く下げていれば、そもそも運営の倫理観に疑念を持たなかった。
加州の事後承諾を隠れ蓑に安定の法要写真トレパク疑惑を有耶無耶にしていなければ、問い合わせのみでも誠実に動いてくれると信じられた。最初の通報や権利元の反応の1週間以内にでも一旦画像を下げていたらこんなに騒がれなかった。調査期間中グッズ、メディア展開を一旦停止してたら「調査に注力してるんだな」と理解されていたはず。
これまでの公式の不誠実な対応への不信感が積み重なっての現状だと思います。そして今も画像の差し替えが一部しか完了しておらず、**自主的に盗用グッズの販売中止、回収に取り組まず、倫理的な問題には触れられず、権利元への対応も不明なまま、挙句新人へ責任を押し付けて、と信用を回復するには足らない対応が続いています。だから決して騒ぎ過ぎだとは思えないのです。声をあげて誠実な対応を求め続けるユーザーが責められるのも悲しいことだと、私は感じました。
 
 
余談のはずが長い文になってしまいました。今度こそここで筆を置きたいと思います。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

*「皆」という表現は不適切であるとご指摘頂いたので「大多数」へと訂正いたしました。(7/16)
**盗用のあった絵馬、お守りがグッドスマイル様の自主判断により回収、販売中止となりましたので盗用グッズの販売が中止されず」の部分を訂正いたしました。(7/16)
その他内容に関わらない誤字、脱字は随時修正しております。